日本フェミニスト経済学会 2022年度大会

 

          • 日時:2022年7月9日(土) 10:00〜18:00
          • 会場早稲田大学(早稲田キャンパス)14号館4階401教室、403教室 キャンパスマップ
          • 参加費:会員 1000円(学生・非正規700円)、 非会員 2000円(学生・非正規1000円)
            • ご参加予定の方は、7月3日(日)23時59分までに、Peatixにて参加費をお支払いください。当日会場で参加費をお支払いいただくことはできませんので、ご注意ください。
            • ご欠席の会員も、Peatixにある「JAFFE会員(欠席)」という無料チケットでご登録ください。
            • 会場とオンラインのいずれでもご参加いただけますが、オンライン参加できるのは共通論題のみとなります。予めご了承ください。
            • オンライン参加のためのzoom URLは、7/8(金)までに、お申込みいただいたメールアドレス宛にお知らせいたします。

 

    • 自由論題報告 10:00~12:05(早稲田大学 早稲田キャンパス 14号館4階 401教室)

      司会:小川 真理子(東京大学)

      第1報告
      駒村 日向子(お茶の水女子大学大学院 博士後期課程)
      「家庭空間における賃労働とジェンダー ――COVID-19 緊急事態宣言下での女性たちのテレワーク経験から」
      コメンテーター:川口 章(同志社大学)

      第2報告
      巣内 尚子(東京学芸大学、ラバル大学大学院博士課程)
      「「私はここで働き続ける」縫製工場から介護施設へ――移住女性にとっての特定技能制度の位置づけと課題」
      コメンテーター:大野 恵理(獨協大学)

      第3報告
      新倉 久乃(フェリス女学院大学大学院 博士後期課程)
      「エスニック・コミュニティの包摂と相対的剥奪――高齢の在日タイ女性と社会的資源」
      コメンテーター:徐 阿貴(福岡女子大学)

      13:00~17:00【共通論題】

      【共通論題】13:00〜17:00

      共通論題  13:00~17:00(早稲田大学 早稲田キャンパス 14号館4階 403教室)  

      「フェミニスト経済学からみた政治・権力――家父長的世帯主義批判」

      フェミニスト経済学は、経済および経済学知の構築性・正当性にかかわるジェンダーと権力の関係を検討する学術的アプローチである。経済学知にひそむ歴史的、政治的、文化的文脈へのフェミニスト的洞察によって、経済学というディシプリンを問い直す試みといえる。このアプローチの下では、主流派経済学が措定してきた〈合理的経済人〉モデルは根底から覆され、合理性の論理では実現しえない人間の生をつなぐプロセスに関心が向けられる。また、このプロセスにおける排除・放逐の力学について、インターセクショナルな視座からの検証・分析が求められる。昨年度の日本フェミニスト経済学会大会共通論題は、まさに差別や抑圧の交差を生きているシングルマザーや移住女性たちが新型コロナウイルス禍で「いのちとくらし」をつなぐことが困難になっているという現実をとらえた議論をおこなった。

       2022年度の共通論題では、経済学をはじめとした社会科学知に展延し、現実の政治経済秩序に強く作用し、人びとの生をつなぐプロセスに深刻な影響をもたらす家父長的世帯主義に迫る議論をおこなっていく。端的な例として、日本政府が新型コロナウイルス禍の経済的困窮への対応策として支給した特別給付金が世帯主≒男性家長に対して支払われたことや、当初、性風俗業で働く労働者たちを休業支援金の対象外としたことは、政策に非常に強い家父長的世帯主義が働いていることを浮き彫りにした。換言すれば、こうした政策は異性愛中心的主義的な生殖=再生産規範リプロダクティブ・ヘテロノーマティビティに適合しない、固有の状況に生きている個を、生存の限界へと追いやっている。またより最近には、インフレーションの加速化に対して日本銀行総裁が「家計の値上げ許容度が高まってきている」と発言したが、このコメントは、家計の調整が往々にして女性たちや子どもたち自身のウェルビーイングの抑圧をともなうことを見過ごすものである。家父長的世帯主義の下では、「いのちとくらし」の危機を回避しようとする「努力」が、政治的に不可視化され、時に「当たり前のこととして前提」され、剥奪され続けてしまう。

      こうした政治・権力におけるジェンダー不公正は、2021年10月の衆議院選挙の結果に示されるような女性の政治的代表性の後退とも連関している。参議院選挙をひかえた2022年7月という局面において、フェミニスト経済学が家父長的世帯主義の力学に抵抗していくことは、今後の経済政策や社会政策をどう考えていくか、人間の生をつなぐプロセスをどう再想像していくかという問いにも結びつく。共通論題では、このような問題意識から、社会政策研究、政治学、安全保障研究、国際社会学の領域を横断しながら、ジェンダー経済と政治・権力の関係について批判的な議論を提示したい。

      【座長】大橋 史恵(お茶の水女子大学)・板井 広明(専修大学)                             

      13:00~13:05  【開会挨拶】座長、会場校実行委員長挨拶:堀 芳枝(早稲田大学)

      13:05〜13:10 【趣旨説明】大橋 史恵(お茶の水女子大学)

      13:10〜13:40 【報告1】藤原 千沙(法政大学)
      「プロヴィジョニングの経済学と個人・世帯・社会政策」

      13:40〜14:10 【報告2】申 琪榮(お茶の水女子大学)
      「政治権力はどのように再生産されるのか:政治資本としての家父長的イエ」

      14:10〜14:40 【報告3】キム・イルジュ(早稲田大学)
      「「母親国民」と「非国民」: フィリピン人結婚移住女性の市民権と政治参加に関する日韓比較研究」

      14:40〜15:10 【報告4】清水 奈名子(宇都宮大学)
      「東電福島原発事故とジェンダー:被害を増幅させる要因としての格差と差別」

      15:10〜15:25  休憩、質問紙回収

      15:25〜15:45  【コメント】金井 郁(埼玉大学)、足立 眞理子(お茶の水女子大学)、小ヶ谷 千穂(フェリス女学院大学)、落合 絵美(岐阜大学)

      15:45〜16:55  質問への応答とフリー・ディスカッション

      16:55〜17:00  まとめと閉会の挨拶 板井 広明(専修大学)

      総会 17:15〜18:00(会場:早稲田大学 早稲田キャンパス 14号館4階403教室

      共催:早稲田大学平和学研究所 
      後援:お茶の水女子大学ジェンダー研究所、早稲田大学ジェンダー研究所、経済理論学会問題別分科会「ジェンダー」